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【税制改正】

各省庁の平成30年度税制改正要望が出揃いました

 各省庁の平成30年度税制改正が出揃いました。今後、年末にかけて政府・与党内で要望の可否を調整し、その結果を平成30年度税制改正大綱に反映させることになります。主な各省庁の要望は以下の通りです。

■経産省、後継者不在の事業承継を税で後押し
経済産業省の要望には、再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設が盛り込まれています。近年、後継者不在のため事業承継できない、投資余力がないために事業継続をためらう、といった課題を抱えるケースで、売却やM&Aにより経営資源や事業の再編・統合を図る手法が増えています。

改正要望は、こうした多様な手法に対してインセンティブを与えることにより、次世代への経営引継ぎを加速させることが必要不可欠であるとして、
1)株式、事業の譲渡益に係る税負担の軽減措置、
2)事業譲渡により生じる資産の移転等に係る税負担の軽減措置、
3)一定の要件を満たすファンドから出資を受けた際も中小企業関連の優遇税制の適用が可能とする要件緩和措置

を講じています。

中規模法人の3分の1が親族外承継を行っており、後継者不足の中小企業について、外部人材等に対する事業承継を促進することも重要であることが認識されつつあります。

■国交省、観光立国実現の財源検討対象に「出国税」
国土交通省は、税制改正要望に、次世代の観光立国実現のための財源の検討を盛り込んでいます。検討対象には「出国税」が挙がっています。

本年6月9日に閣議決定された「未来投資戦略2017」では、財源の検討に当たっては、他の観光先進国の取組みも参考にしつつ、観光立国の受益者の負担による方法により、観光施策に充てる財源を確保することを目指す、としていました。

要望では、諸外国では出入国、航空旅行の際に外国人旅行者や出発・出国旅客から租税・手数料を徴収している例が見られるとして、オーストラリア、韓国、アメリカの取組み例を示しています。

出国旅客に対して、オーストラリアでは出国旅客税として60豪ドル(5030円)を課税、韓国では出国納付金として航空利用・船舶利用の区分により徴収し航空利用の場合1万ウォン(980円)を徴収。また、アメリカではビザ免除国からの渡航者に対し、電子渡航認証制度に基づく申請手数料として14ドル(1550円)の申請料を徴収しています。

■厚労省、社内保育施設に税優遇
待機児童問題が深刻化する中、厚生労働省は、事業所内保育施設を設置する企業に対して税制上の優遇措置を講じる要望を財務省に提出しました。政府が掲げる働き方改革に足並みを揃えたものとなります。
要望内容は、事業所内に設置した保育施設や、これと同時に取得した遊戯具、家具、防犯設備の割増償却措置を講じるとするものです。

平成29年4月1日施行の新くるみん認定・新プラチナくるみん認定を取得して、仕事と育児の両立支援により積極的に取り組んでいる企業については、この優遇措置を拡充します。

くるみん認定とは、次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が企業に対して行う認定のことです。認定企業はくるみんマーク・プラチナくるみんマークを広告等に付してイメージアップや優秀な従業員の採用・定着などにつなげることができるほか、くるみん税制(一定資産の割増償却)を適用できます。

厚労省では、「待機児童解消、仕事と子育ての両立支援の実現、そして女性の就業希望を叶える上で、保育の受け皿の確保は喫緊の課題であり、事業所内保育施設の設置に関する税制上の優遇措置により、保育の受け皿の早急な整備を促すことが必要」として実現に期待を寄せています。

■金融庁、NISA口座開設申込時の即日買付実現を要望
金融庁は、NISA(少額投資非課税制度)の口座開設申込時に、即日で買付ができるよう税制改正要望に盛り込んでいます。

現行では、NISA口座開設の申込みをした場合、申し込んだ金融機関を経由して二重口座でないことの確認を税務署がしています。問題がなければ非課税管理勘定の設定ができる旨が金融機関を経由して投資家に連絡され、NISA口座での買い付けができることになります。ただし、この確認に2週間程度かかることから、その間に投資意欲が失われ買付けが行われないことがあるとの指摘がありました。

一方、NISAでは5年間の非課税期間が終了した場合、引き続き非課税枠を使って投資を行うこと(ロールオーバー)ができ、ロールオーバーしないときは、非課税口座内の保有商品は課税口座(一般口座または特定口座)に移管されるが、特に意思表示をしない限り一般口座に移管されてしまいます。特定口座では源泉徴収を選択すれば確定申告は不要となりますが、一般口座では確定申告をする必要があります。 そこで、投資家の利便性向上のため、現行とは逆に、特に意思表示をしない限り特定口座に移管されるようにすることも要望されました。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 財務省 ]
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2018/request/index.htm

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