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会社運営に役立つ法令情報

【安全衛生】

社員の安全と健康が、企業の評価を上げる。−安全衛生優良企業公表制度の認定企業を訪ねて−

 厚生労働省は、安全衛生優良企業公表制度に基づく認定企業における社員の安全確保や健康増進に関する取組を報告書にまとめ、公表しました(平成30年5月17日公表)。今後、わが国が人口減少・高齢社会に移行し、生産年齢人口の減少が見込まれるため、社員の職場環境の改善や整備は、経営上の重要な課題になっています。そこで、厚生労働省では、平成27年6月に安全衛生優良企業公表制度を創設し、安全衛生の取組が優良と認定した企業名等を同省ホームページで紹介しています。
 このたび、認定企業5社を訪問し安全や健康に関する課題解決型の先駆的な取組事例や成果を調査し、国民並びに企業の担当者等に参考になるように情報を提供することにしたとのことです。

■調査の背景(働く人の安全と健康の現状)
・労働災害による死亡者数は昭和30年代半ばの年間6,000人超から減少傾向にあるものの、なお年間1,000人近い方が亡くなっている。
・定期健康診断では何らかの指摘を受けている方が年々逓増し、近年は過半数を占めている。
・メンタルヘルス面では仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスを感じているとした方が過半数いる状況が続いている。
・人口減少・高齢社会の到来に伴い、働く人の安全と健康を守る職場環境づくりが、企業にとっては持続性確保のための大きな課題となっている。

■調査の概要
・厚生労働省では平成27(2015)年6月に「安全衛生優良企業公表制度」(※)を創設し、働く人の安全や健康を守る取組で成果を上げた企業を認定し、厚生労働省のホームページで公表。
・平成30(2018)年4月末現在、35社を認定。
・本報告書は認定企業の現場での取組を調査し、働く人の安全や健康に関心をもつ国民並びに企業の担当者等に情報提供することを目的としている。
【調査先企業5社】(株)みちのく銀行、宮崎工業(株)、アップコン(株)、パナソニックエコソリューションズ池田電機(株)(以下「PES池田」という。)、ニッポン高度紙工業(株)。

(※)安全衛生優良企業とは、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のことです。この認定を受けるためには、過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないなどの基本事項に加え、労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取組を行っていることが求められます。基準を満たした企業は、3年間の認定を受けることができ、さまざまなメリットが得られます。


■安全衛生優良企業「社員の安全と健康を守る」調査結果の紹介
・調査先企業における安全と健康に係わる課題解決型の取組事例 末尾()内は、取組企業名。
1労働災害のデータ分析によるリスクアセスメントの推進
 ○危険作業の見える化(3H=初めて、変更、久しぶりに災害集中)によるゼロ災害の徹底(ニッポン高度紙工業)。

2安全パトロール(*)のマンネリ化や形骸化の防止、緊張感の醸成(*)製造業等で行われる職場環境の巡回点検。
 ○親会社・グループ会社・他工場等の相互参加による第三者的な視点の導入(宮崎工業、ニッポン高度紙工業)。
 ○経営トップが災害懸念のある長期連続休日明けの製造現場を巡回して、引き締め(PES池田)。
 ○毎月の重点点検項目や安全標語を社内で徹底して、メリハリある巡回を確保(宮崎工業)。

3社員等に対する危険体感教育による安全意識の喚起、現場発の安全改善提案の重視
 ○新入社員、新規パート等に危険体感訓練を義務付け、管理職にはゼロ災害継続の指導者教育(PES池田)。
 ○危険体感訓練のほか、実践的な危険箇所発見の研修を製造部門中心に実施(ニッポン高度紙工業)。
 ○安全改善提案(年間約100件)は可能な限り採用、毎月職場単位での安全フリーディスカッション実施(宮崎工業)。

4社員の健康増進サポートの推進(健康診断結果の自覚徹底、生活習慣病予防、運動不足解消等の対応)
 ○経営トップによる「健康経営宣言」のもと、地元大学と連携した健康支援リーダーの育成や県立病院と連携した
  独自の生活習慣改善プログラムを推進。健康意識の変革を促進(みちのく銀行)。
 ○全社員対象の健康学習、社内コミュニケーション手法研修・非言語コミュニケーション等(ニッポン高度紙工業)。
 ○フットサルなど各種スポーツ活動、禁煙、階段利用等に対して、会社がポイントを付与して推奨(アップコン)。

・優良企業認定に伴う企業側の効果
 ○経営者、社員の取組意識の一層向上により、安全衛生面の見える化や提案活発化等による一層の基盤整備。
 ○認定マーク活用、新聞報道、講演会での積極的な情報発信等にてプレゼンス向上。人材採用でもアピール効果。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000206159.html

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