閉じる

会社運営に役立つ法令情報

【経営】

過労死等防止対策大綱の改定案が7月にも閣議決定される予定です

 「過労死等の防止のための対策に関する大綱(改定案)」が、7月にも閣議決定される予定です。この改定案は、制定以来3年ぶりに「過労死等の防止のための対策に関する大綱(過労死等防止対策大綱)」を改訂しようとするもので、「勤務間インターバル制度」の数値目標の明記が柱となっています。なお、パブリックコメントの意見募集期間は、平成30年6月15日〜平成30年7月14日となっています。

 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」は、過労死をなくすための対策をまとめたもので、2015年に初めて策定され、3年後をめどに見直すことになっています。
 「勤務間インターバル制度」とは、勤務終了後、一定時間以上の休息期間を確保する制度で、今回示された「勤務間インターバル制度」の数値目標は下記の通りです。

■勤務間インターバル制度の数値目標
 勤務間インターバル制度について、労働者数30人以上の企業のうち、
  (1) 勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満
  (2) 勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設けること 

   について就業規則又は労使協定等で定めているものに限る。)を導入している企業割合を10%以上
 ※2020年(平成32年)までの目標になります。

 長時間労働の削減や休息の確保につながる勤務間インターバル制度について、導入状況別の企業割合をみると、「導入している」が1.4%、「導入を予定又は検討している」が5.1%、「導入の予定はなく、検討もしていない」が92.9%となっています。さらに、勤務間インターバル制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業について、その理由別の割合をみると、「当該制度を知らなかったため」が40.2%と最も多く、次いで、「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」が38.0%となっています(厚生労働省「平成29年就労条件総合調査」による。)。

 一方、勤務間インターバル制度を導入している企業のうち、確実にインターバル時間を確保しなければならない時間を11時間超とする割合は28.2%にとどまるという調査結果もあります(厚生労働省「平成27年度過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業(委託事業)」による。)。

 改定案では「勤務間インターバル制度」以外にも下記の数値目標が示されています。

■過労死等防止対策の数値目標
1. 週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下
※特に長時間労働が懸念される週労働時間40時間以上の雇用者の労働時間の実情を踏まえつつ、この目標の達成に向けた取組を推進

2. 年次有給休暇の取得率を70%以上
※特に、年次有給休暇の取得日数が0日の者の解消に向けた取組を推進

3. メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上

4. 仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上

5. ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上

※下線部分は新たに追加したもの。
1、2 ・・・・・2020年(平成32年)までの目標になります。
3、4、5 ・・・・・2022年(平成34年)までの目標になります。

 また、長時間労働の削減のため、労働時間の把握について、会社側がICカード等の客観的な記録を基に確認することを原則とすることや、過労死が多く重点的に実態把握が必要な業種に、建設業やメディアが加えられました。

 「過労死」という言葉は、日本のみでなく、国際的にも「karoshi」として知られるようになっています。近年においても、過労死等にも至る若者の「使い捨て」が疑われる企業等の問題等、劣悪な雇用管理を行う企業の存在と対策の必要性が各方面で指摘されており、過労死等は、人権に関わる問題とも言われています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000175084

ページTOPへ