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会社運営に役立つ法令情報

【経営】

不正競争防止法等の一部を改正する法律(データの利活用を促進)

 平成30年第196会通常国会において「不正競争防止法等の一部を改正する法律」が可決成立し、不正競争防止法が改正されます。この改正は、データの利活用を促進するための環境を整備するため、ID・パスワード等により管理しつつ相手方を限定して提供するデータを不正取得等する行為を、新たに不正競争行為に位置づけ、これに対する差止請求権等の民事上の救済措置を設けるものです。さらに、技術的制限手段を回避するサービスの提供等を不正競争行為に位置づけるなど、技術的制限手段に係る不正競争行為の対象が拡大されます。


■法律改正の趣旨
  第四次産業革命の下、IoTやAIなどの情報技術の革新が目覚ましく進み、企業の競争力の源泉は、データ、その分析方法、これらを活用した製品やビジネスモデルへ移り変わりつつあります。こうした状況において、データの 利活用を促進するための環境を整備するほか、知的財産や標準の分野においてビッグデータ等の情報技術の進展を新たな付加価値の創出につなげるための所要の措置が講じられます。

■法律改正の概要
【1.不正競争防止法の一部改正】
(1) 相手方を限定して業として提供するデータ(ID/パスワード等の電磁的方法により管理されているものに限る。)の不正な取得、使用及び開示を不正競争に位置づけ、これに対する差止請求権等の民事上の措置が設けられます。


(2) 暗号等の技術的制限手段について、その効果を妨げる機器の提供等だけでなく、その効果を妨げる役務の提供等も不正競争とされます。
(3) 書類提出命令における書類の必要性を判断するためのインカメラ手続、専門委員のインカメラ手続への関与【3(2)と同じ】


【2.工業標準化法の一部改正】
(1) 標準化の対象にデータ、サービス等を追加し、「日本工業規格(JIS)」を「日本産業規格(JIS)」に、法律名が「産業標準化法」に改められます。


(2) 標準化の専門知識及び能力等を有する民間団体を認定し、当該団体からの申出については、審議会(日本産業標準調査会)に付議することなく、主務大臣が産業標準を制定するスキームが追加されます。
(3) 認証を受けずにJISマークの表示を行った法人等に対する罰金刑の上限が1億円に引き上げられます(現行は自然人と同額の上限100万円)。


【3.特許法等の一部改正】
(1) これまで一部の中小企業が対象だった特許料等の軽減措置を、全ての中小企業に拡充されます。
【経済産業省:「不正競争防止法、JIS法、特許法等の平成30年改正の概要」より】

(2) 裁判所が書類提出命令を出すに際して非公開(インカメラ)で書類の必要性を判断できる手続を創設するとともに、技術専門家(専門委員)がインカメラ手続に関与できるようになります。
(3) 判定制度の関係書類に営業秘密が記載されている場合、その閲覧が制限されます。
(4) 特許出願等における新規性喪失の例外期間が6か月から1年に延長されます。
(5) 特許料等のクレジットカード払いが認められます。
(6) 最初に意匠出願した国への出願日を他の国でも出願日とすることができる制度について、必要書類のオンラインでの交換が認められます。
(7) 商標出願手続が適正化されます。


【4.弁理士法の一部改正】
弁理士が、その名称と責務の下で、データの利活用や規格(JIS等)の案の作成に関する相談に応ずる等の業務が行えるようになります。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 経済産業省 ]
http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/H30nen_tabanechirashi.pdf

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