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会社運営に役立つ法令情報

【労務】

中小企業・小規模事業者の最低賃金状況について

 中小・小規模事業者が賃上げを行いやすい環境を作る等の観点から、平成30年11月13日、首相官邸において、「第6回下請等中小企業の取引条件改善に関するワーキンググループ及び第4回中小企業・小規模事業者の最低賃金引上げ力ワーキンググループ」の合同会合が開催されました。これらのワーキンググループは、必要な対策等について、省庁横断的に検討を行うために開催されているものです。厚生労働省からは、賃金構造基本統計調査の報告などが行われています。

■未満率上位3地域の最低賃金の状況
 神奈川が突出して高く、大阪、北海道も2%を超えています。なお、神奈川、大阪、北海道は平成27、28年の調査でも未満率※が全国上位です。
※「未満率」とは、最低賃金額を改正する前に、最低賃金額を下回っている労働者の割合を指します。
●神奈川県
・産業別 :@宿泊業、飲食サービス業、A卸売業、小売業、B製造業の未満率が高い。
・違反理由:「最賃額の不知」のほか、「売上減・コスト増による不払い」が、比較的多い。
●大阪府
・産業別 :@卸売業、小売業、A宿泊業、飲食サービス業、B医療、福祉の未満率が高い。
・違反理由:「最賃額の不知」のほか、「売上減・コスト増による不払い」が、比較的多い。
●北海道
・産業別 :@卸売業、小売業、A宿泊業、飲食サービス業、B製造業の未満率が高い。
・違反理由:「賃金を時間額に換算していない」、「最賃額改定を知っていたが賃金改定していない」が多い。

【賃金構造基本統計調査(平成29年)による都道府県別の未満率】 賃金構造基本統計調査(平成29年)による都道府県別の未満率【出典:中小企業庁「第4回中小企業・小規模事業者の最低賃金引上げ力ワーキンググループ厚生労働省提出資料」より】
■最低賃金法第4条違反の具体事例
1.行政指導により速やかに法違反が是正される事例
(a). 飲食業(個人経営)
・違反理由:労使間で合意があれば約定賃金を最賃未満としてもよいと誤認
・対策  :労使合意があっても、最賃未満の就労は違法であることを教示
(b). 卸売業・小売業
・違反理由:通勤手当(※)を含めて計算した結果、最低賃金以上の支払をしていると誤認
※通勤手当は最低賃金の算定に含まれない
・対策  :最低賃金の算定基礎に含める手当や、計算方法を教示
(c). 製造業
・違反理由:障害者には最低賃金の適用がないと誤認
・対策  :障害者でも都道府県労働局長の許可(※)がなければ、最賃未満の就労は違法であることを教示
※障害により労働能力が著しく低い場合は、都道府県労働局長の許可により、最低賃金を減額して適用できる
(d). 製造業・卸売業・小売業
・違反理由:事業主が最低賃金は効力発生日の直後の賃金支払い期間から適用になると誤認
・対策  :最低賃金は効力発生日から適用になる旨を教示

2.行政指導による速やかな法違反の是正が困難な事例
(a). クリーニング業(個人経営)
・是正が困難な理由:経営難を理由に約定賃金を最低賃金額未満としていると同時に、時間外・休日労働の手当なども不払いとなっており、多額の不足額の支払に時間を要する
・対策      :不足額の支払に時間を要するため、支払計画を作成させるなどして、継続的に是正を求める
(b). 製造業
・是正が困難な理由:最低賃金法違反を指導後、事業主が行方不明となっている(連絡が取れない)
・対策      :事業主の所在が明らかになった場合、司法処分を含めた対応を検討

 中小企業・小規模事業者においては、依然として最賃制度や助成制度を知らない企業があるため、引き続き周知が必要である等、今後の課題も挙げられています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 首相官邸 ]
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/katsuryoku_kojyo/torihiki_wg/dai6/gijisidai.html

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