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【税制】

財務省 パンフレット「平成31年度税制改正(案)のポイント」を公表

 財務省から、「パンフレット「平成31年度税制改正(案)のポイント」(平成31年2月)」が公表されています。このパンフレットは、「平成31年度税制改正の大綱」(平成30年12月21日閣議決定)及び「所得税法等の一部を改正する法律案」(平成31年2月5日閣議決定)の内容を分かりやすくまとめたものです。「法案成立前の内容であることにご留意ください」とされています(法案は、現在開会中の第198回国会で成立する見込みです)。

 今回の平成31年度税制改正(案)では、消費課税についての改正がメインで、消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化等の観点から、住宅と自動車に対する税制上の支援策が講じられる予定です(住宅ローン控除の拡充も、消費税率の引上げ対策の一環となります)。その他、法人課税など、課税の種類ごとに改正(案)のポイントがまとめられていますので、個人所得課税、資産課税、法人課税、消費課税の一部を抜粋してご紹介します。

■個人所得課税
住宅ローン控除の拡充(案)
 消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化の観点から、住宅に関する税制上の支援策を講じます。
※平成31年(2019年)10月1日から平成32年(2020年)12月31日までの間に居住の用に供した場合に適用します。
●消費税率10%が適用される住宅取得等について、住宅ローン控除の控除期間を3年延長(現行10年間⇒13年間)します。
●11年目以降の3年間については、消費税率2%引上げ分の負担に着目した控除額の上限を設定します。具体的には、各年において、以下のいずれか少ない金額を税額控除します。
@建物購入価格の2/3%
A住宅ローン年末残高の1%
⇒3年間で消費税増税分にあたる「建物購入価格の2%(2/3%×3年)」の範囲で減税を行います。ただし、ローン残高が少ない場合は、現行制度通り住宅ローン年末残高に応じて減税します。
(注1)建物購入価格、住宅ローン年末残高の控除対象限度額は一般住宅の場合4,000万円、認定住宅の場合5,000万円(現行制度と同水準)。
(注2)入居11〜13年目についても、所得税額から控除しきれない額は、現行制度と同じ控除限度額(所得税の課税総所得金額等の7%(最高13.65万円))の範囲で個人住民税額から控除。なお、個人住民税の減収額は、全額国費で補てん。
(注3)入居1〜10年目は現行制度どおり税額控除。

(参考)森林環境税及び森林環境譲与税の創設(案)
・森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、森林環境税(平成36年度(2024年度)から年額1,000円)及び森林環境譲与税(平成31年度(2019年度)から譲与)を創設します。
(参考)ふるさと納税制度の見直し(案)
・過度な返礼品を送付し、制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税(特例控除)の対象外にすることができるよう、制度の見直しを行います。
(参考)子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置(案)
・子どもの貧困に対応するため、事実婚状態でないことを確認した上で支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置を講じます(平成33年度(2021年度)分の個人住民税から適用)。

■資産課税
(1)個人事業者の事業承継税制の創設(案)
新たな個人事業者の事業承継税制を、10年間の時限措置として創設します。(現行の事業用の小規模宅地特例との選択適用)
※平成31年1月1日から平成40年(2028年)12月31日までの相続又は贈与について適用します(平成36年(2024年)3月31日までの間に承継計画を都道府県に提出した場合に限ります。)

(2)事業用の小規模宅地特例の見直し(案)
相続前3年以内に事業の用に供された宅地については、本特例の対象から除外します。ただし、当該宅地に該当する場合であっても、当該宅地の上で事業の用に供されている償却資産の価額が、当該宅地の相続時の価額の15%以上であれば、本特例の適用対象とします。

(3)教育資金の一括贈与非課税措置の見直し(案)
教育資金の一括贈与非課税措置について、受贈者の所得要件設定や使途の見直し等を行う一方、30歳以上の就学継続には一定の配慮を行い、適用期限を2年延長します。

(4)結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し(案)
結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置について、贈与時の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には適用できないこととした上で、適用期限を2年延長します。

■法人課税
(1)イノベーション促進のための研究開発税制の見直し(案)
研究開発の質を向上させ、積極的な開発投資を促す観点から、メリハリをつけた見直しを行います。
@オープンイノベーション型の対象範囲の追加等(案)
●質の高い研究開発を一層促進する観点から、オープンイノベーション型の対象となる試験研究費の範囲を拡充するとともに、控除上限を10%に引き上げます。
●研究開発型ベンチャーとの連携による研究開発力強化の観点から、研究開発型ベンチャーとの共同研究・委託研究の税額控除率を25%とします。
●大学等との共同研究に係る費用について、研究開発のプロジェクトマネジメント業務等を担う者の人件費の適用を明確化します。

A総額型の見直し(案)
●十分な収益が発生していない中でも果敢な研究開発投資を行う一定のベンチャー企業について、税額控除のメリットを十分に享受できるよう、控除上限を40%に引き上げます。
●研究開発投資の増加インセンティブを強化する観点から、控除率を見直します。

B試験研究費の割合が高い企業への新たな特例措置(案)
●現行の高水準型について、売上に比して高い水準の研究開発を行っている企業に対する増加インセンティブにも配慮しつつ、制度の簡素化の観点も踏まえ、「試験研究費割合が10%超の場合の総額型の控除上限の上乗せ特例」と統合し、控除率を一定程度割増しする措置を加えた新たな特例に改組します。

(2)中堅・中小企業による設備投資等の支援(案)
@中小企業者等の法人税率の特例及び中小企業投資促進税制等の延長等(案)
●租税特別措置法による軽減税率(税率15%)の適用期限を2年延長します。
●中小企業経営強化税制の対象資産を明確化の上、適用期限を2年延長します。中小企業投資促進税制の適用期限を2年延長します。
●商業・サービス業・農林水産業活性化税制については、中小企業の戦略的な投資をしっかりと収益力向上に結び付けていくため、以下の要件を追加した上で、適用期限を2年延長します。
【追加要件】投資を含む経営改善により、「売上高又は営業利益が1年間で2%以上向上すること」との認定経営革新等支援機関等の確認を受けたもの

A地域未来投資促進税制の見直し(案)
●地域経済を牽引する事業について集中的に支援する観点から、特に高い付加価値を創出し、地域経済への高い波及効果が期待される取組について主務大臣の確認を受けた場合について、機械装置等の特別償却率を50%(現行40%)に、税額控除率を5%(現行4%)に、引き上げる等の見直しを行った上、適用期限を2年延長します。

B中小企業における災害に対する事前対策のための設備投資に係る税制上の措置(案
●中小企業の事業活動に災害が与える影響を踏まえ、サプライチェーンや地域の雇用等を支える中小企業者の事前対策の取組強化の観点から、中小企業等経営強化法の改正を前提とする事業継続力強化計画(仮称)に基づく防災・減災設備への投資について、特別償却ができる措置を講じます。

(参考)都市・地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築(案)
・地域間の財政力格差の拡大、経済社会構造の変化等を踏まえ、県内総生産の分布状況と比較して大都市に税収が集中する構造的な課題に対処し、都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展するため、地方法人課税における新たな偏在是正措置を講じます。
・具体的には、消費税率10%段階において、復元後の法人事業税の一部を分離し、特別法人事業税とするとともに、その全額を都道府県に対し、特別法人事業譲与税として、人口を譲与基準(不交付団体に対する譲与制限あり)として譲与します。

■消費課税
(1)車体課税等の見直し(案)
@自動車税の税率引下げ(恒久減税)(案)
消費税率引上げ後に購入した新車から、小型自動車を中心に、自家用乗用車(登録車)に係る自動車税の税率を恒久的に引き下げます。

(参考)環境性能割の税率の適用区分の見直し(案)
・環境インセンティブを強化するため、自家用乗用車(登録車)に係る環境性能割の税率の適用区分を見直します。
(参考)グリーン化特例(軽課)の見直し(案)
・環境性能割の導入を契機に、自家用乗用車(登録車及び軽自動車)に係るグリーン化特例(軽課)の適用対象を、電気自動車等に限定します。なお、消費税率引上げに配慮し、平成33年(2021年)4月1日以後に初回新規登録等を受けた自家用乗用車(登録車及び軽自動車)から適用します。
(参考)地方財源の補てん(案)
・自動車税の恒久減税により生じる地方税の減収のうち、地方税の見直しによる増収により確保できない分について、異例の措置として、以下の措置により全額国費で補てんします。
⇒自動車重量税のエコカー減税の見直し
⇒自動車重量税の譲与割合の段階的引上げ
⇒揮発油税から地方揮発油税への税源移譲

A需要平準化対策に係る環境性能割の臨時的軽減(案)
 消費税率引上げに伴う対応として、平成31年(2019年)10月1日から平成32年(2020年)9月30日までの間に取得した自家用乗用車(登録車及び軽自動車)について、環境性能割の税率を1%分軽減します。

B自動車重量税のエコカー減税の見直し(案)
 政策インセンティブ機能の強化の観点から、1回目車検時の軽減割合等を見直すとともに、2回目車検時の免税対象を電気自動車等や極めて燃費水準が高いハイブリッド車に重点化します。

(参考)自動車取得税のエコカー減税の見直し(案)
 環境インセンティブを強化する観点から、軽減割合等の見直しを行った上、平成31年(2019年)9月末まで延長します。

(2)外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し(臨時販売場制度の創設)(案)
●地域のイベント等における特産品等の外国人旅行者への販売機会を増やし、外国人旅行消費額のより一層の拡大等を図るため、既に輸出物品販売場の許可を受けた事業者が、
@あらかじめ、臨時販売場の設置について所轄税務署長の承認を受け、
A出店の前日までに、臨時販売場を設置する具体的な場所、期間等を税務署長に届け出ることにより、その臨時販売場を免税店とみなし免税販売できることとする「臨時販売場制度」を創設します。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 財務省 ]
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian19.htm

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