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【経営】

中企庁、長時間労働に繋がる商慣行を調査

 中小企業庁が中小企業を対象に2018年12月に実施した「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査」結果(有効回答数2537社)によると、繁忙期は約7割の企業で発生、短納期受注は直近1年間で6割の企業で発生していることが判明しました。繁忙期は「サービス業」、「小売業」で、短納期受注は「製造業」において発生割合が高く、繁忙期/短納期受注のいずれにおいても、発生割合が全体平均より高い業種は、「建設業」、「繊維産業」、「紙・紙加工品産業」、「印刷産業」、「広告業」となっています。

 繁忙期/短納期受注の発生割合について業種別でみると、「紙・紙加工品産業」、「印刷産業」では繁忙期/短納期受注のいずれにおいても8割を超えています。「建設業」、「食料品製造業」、「トラック運送業・倉庫業」では繁忙期の発生割合が8割超、「半導体・半導体製造装置産業」、「電気・情報通信機器産業」では短納期受注の発生割合が8割超。繁忙期/短納期受注の主要取引先として最も回答が多い業種は、大半の業種で同業種でとの回答が多くなっています。

 繁忙期の発生理由(複数回答)は、51%の企業が「季節的な要因」と回答。約7割の企業が、取引や商慣行の課題となり得る「取引先の繁忙期に対応するため」(43%)や、「決算・年度末対応のため」(30%)が発生理由と回答。また、短納期受注の発生理由(複数回答)は、81%の企業が「取引先からの要望への対応」と回答。「自社の強みとして短納期を実施」(26%)や「決算・年度末対応」(18%)と回答した企業は約2割でした。

 繁忙期の発生について、取引上の問題としての課題を整理すると、「問題のある受発注方法の常態化」、「年末・年度末集中」といった課題があります。

課題1.問題のある受発注方法の常態化
[企業の生声]
・小売業の「売り切れ=損失=メーカーの責任」という考え方が強く、即時対応が常態化。(食料品製造業)
・親事業者の働き方改革実施により年末年始に発注が集中したため、三が日も操業した。今春の10連休の対応が心配である。(印刷産業)
・大手小売店(ホームセンター・ドラッグストア等)は、各社独自の受発注サイクルが規定されており、そのタイミングで確実な納品ができないと取引が継続できなくなる。(卸売業)

課題2.年末・年度末集中
[企業の生声]
・国は平準化を推進していると言うが、実際は自治体等の発注は年度後半に偏り繁忙期となり、地域での発注の平準化が必要。(技術サービス産業)
・年末・年度末に竣工する物件が多い。(建設業)
・官公庁から測量・調査・設計等の業務を受注しているが、6月に受注しても発注者側の工程が不明確なため、11月ぐらいまで業務に取り掛かれない。(技術サービス産業)
繁忙期/短納期受注の発生割合
 また、短納期受注の発生について、取引上の問題としての課題を整理すると、「納期のしわ寄せ」、「受発注方法(多頻度配送等)」といった課題がそれぞれ挙げられます。そして、繁忙期によって81%、短納期の受注によって68%の企業が、従業員の平均残業時間が「増加する」と回答しています。

課題1.納期のしわ寄せ
[企業の生声]
・取引先の大企業の時短対応のため、丸投げが増えた。建設業は、工程遅れを下請が取り戻す構造。元請けは休むが下請は責任施行といわれやることが増えた。(建設業)
・顧客満足を優先で取引先の大企業が短納期を受けるため、こちらも短納期にならざるをえない。繁忙期であっても通常期より短い納期依頼が平気である。(素形材産業)
・装置の仕様決めが遅れても納期が変わらない。(半導体・半導体製造装置産業)
・取引先の大企業が残業を減らすために、下請の納期が厳しくなっている。(機械製造業)

課題2.受発注方法(多頻度配送・在庫負担・即日納入)
[企業の生声]
・大手企業がリスクを負わないため、在庫を持たず、数量がある程度決まってから発注。発注後は早期の納品を迫られる。また予測数量が少なかった場合は自社の在庫負担となる。(食料品製造業)
・調剤薬局に一日多数回配送(4〜5回)を求められる。配送先への配送コストオンは出来ず、値引き要求が恒常的に求められる。(卸売業)
・前注文なしに必要なものを必要な時にもってこいという商慣習が蔓延しており、取引先もやられているからと、当社に強要してくる(紙・紙加工品産業)
※( )は回答企業の業種
発生理由【出典:中小企業庁 長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査結果概要について】
 「トラック運送業・倉庫業」、「技術サービス産業」、「機械製造業」は、繁忙期・短納期受注のいずれにおいても、「増加する」と回答した企業の割合が高く、「素形材産業」、「技術サービス産業」、「繊維産業」、「建設業」は、年間における繁忙期の長さが60日を超えています。「素形材産業」、「技術サービス産業」は、繁忙期の1ヵ月当たりの平均残業時間が45時間を超える企業の割合が7割前後と高く、年間における繁忙期の長さも70日を超えています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 中小企業庁 ]
http://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190304006/20190304006-1.pdf

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