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会社運営に役立つ法令情報

【会社法】

今臨時国会で会社法改正法案を審議へ

 政府は、今臨時国会(会期:10月4日から12月9日)に会社法改正法案を提出する見通しです。そこで改正法が成立すると早ければ2020年にも施行となります。 2019年2月14日に法務省の法制審議会総会で「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」が承認されていましたが、通常国会への法案提出は見送られておりました。今回の改正は、2014年の改正(2015年施行)に次ぐ再改正となるものです。今般の改正も、前回と同様にコーポレートガバナンスの強化が主な目的となっています。そのため、取締役等による企業経営に対するルールの整備のみならず、株主との対話において重要な役割を果たす株主総会の制度についても、見直しが行われるものです。

■今回の会社法改正案の概要
〇取締役等に関する規律の見直し
 ・上場企業等に対して、社外取締役の選任を義務化
 ・業務執行の社外取締役への委託
 ・取締役の報酬内容を決定するための方針を策定
 ・自社株式や新株予約権を報酬とする場合の決議事項の明確化
 ・役員報酬にかかる情報開示の充実
 ・役員に対する補償契約、保険契約(役員等賠償責任保険)の法整備

〇株主総会に関する規律の見直し
 ・インターネットによる関連資料の電子提供
 ・株主が提案することができる議案数と内容の適切な制限

〇その他
 ・社債管理補助者制度(注1)の創設、株式交付制度(注2)の創設など

(注1)企業が社債を発行する場合、原則として社債管理者を設置するが、例外規定に基づき設置しないことがある。これらの社債が債務不履行となった場合に社債権者に混乱等が発生したことを踏まえ、社債管理補助者を定め、社債の管理の補助を委託することができる制度。

(注2)株式会社(A社)が他の株式会社(B社)を子会社化するために、当該他の株式会社(B社)の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して、その対価として当該株式会社(A社)の株式を交付する制度。つまり金銭によらず、自社の株式を対価とできるもの。

 今般の改正は、コーポレートガバナンスの一層の強化を狙いとした見直しですが、社外取締役の選任など、既に多くの企業が先行して対応している内容も含まれています。ガバナンス強化には、法改正に伴う形式的な対応のみならず実効性の確保や実質的な取り組みが重要であり、これらを通じた企業経営の透明性や持続的な企業価値の向上が期待されるものです。

 改正により、
1)株主総会資料を電子提供することで、株主への総会資料の提供が早まり、議案などの検討期間が十分に確保できる
2)取締役の報酬規定の整備により、取締役の報酬等を決定するための手続の透明性を向上させると同時に、業績等に連動した報酬を適切に取締役に付与することができるようにする
3)上場会社等への社外取締役設置の義務化により、日本の資本市場が国の内外から信頼される環境整備をする

ことが狙いとなっています。

 また、会社法改正に伴って提出する会社法改正の整備法案で、商業登記法を改正し、法人の設立登記手続においてあらかじめ印鑑の提出を義務付ける規定が削除され、オンラインによって、申請人の選択により印鑑の提出をしなくても登記の申請ができるようにする印鑑提出の任意化が実現することになります。

 これは、2018年6月に閣議決定された『未来投資戦略2018』において、「法人設立登記における印鑑届出の任意化の平成32年度中の実現に向けて、法務省は来年中の商業登記法改正に向けて取り組むとともに、商業登記電子証明書の普及促進も含めて、システム改修等の実施に必要な準備を進める」と記載されていたものです。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 法務省 ]
http://www.moj.go.jp/content/001279742.pdf

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