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会社運営に役立つ法令情報

【税制】

税務行政DX〜構想の実現に向けた工程表について

 国税庁では、令和3年6月に「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション―税務行政の将来像2.0−」を公表し、「デジタルを活用した、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション)」に取り組んでいく方針を明確にしました。「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本の柱としつつ、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」に向けた構想等を示したものですが、今般、その実現に向けた工程表を取りまとめました。この工程表に沿って着実に取組を進めることにより、税務行政のデジタル・トランスフォーメーションの一層の推進に努めていきたいとのことです。

■確定申告
•確定申告は「自宅からのe-Tax」をスタンダードに。
•順次、マイナポータル経由で取得できる情報を拡大することで利便性を向上。
【今後の取組】
〇税金に詳しくない方や、デジタルに不慣れな方でも簡単に申告できるよう、申告用システムの使い勝手を改善。
〇中期的には、あらかじめ入力されたデータを確認するだけで申告が完了する仕組みの実現を目指す。

イ:税務相談チャットボットの提供等
・質問(キーワード)を入力するとAIを利用して自動で回答を表示するチャットボットを提供。【実施済み。対応する質問を順次拡大】
・タックスアンサー(よくある質問に対する回答)の機能改善【令和4年1月〜】

ロ:オンライン申告の周知広報
・企業や官公庁に対する周知広報【随時実施】
・前年にスマホから相談の申込みをした人等に対する周知広報メッセージの送信【令和3年12月〜】

ハ:(イ)複数システム間のシームレスな連携
・利用者目線に立って複数システムの導線を整理。
・「確定申告」のWeb検索結果から、一連の手続がシームレスに完了するよう、システム間の連携を実現。
【方向性について令和4年6月までに結論】

ハ:(ロ)自動入力できるデータの拡大
・給与の源泉徴収票について、スマートフォンのカメラで撮影することにより、必要な情報(収入金額、源泉徴収税額等)を自動で入力できる仕組みを提供。【令和4年1月〜】
・マイナポータルを経由して必要なデータを入手した上、申告データに自動で入力できる仕組み(マイナポータル連携)について、対象となるデータの範囲を拡大※。
【対応済み】生命保険料、住宅ローン、特定口座
【令和4年1月〜】地震保険料、ふるさと納税
【〃2月〜】医療費
【令和5年1月〜】公的年金収入、国民年金保険料、給与収入(実現に向け検討)等
※年末調整手続でも、利用できるデータの範囲を拡大。

ニー1:マイナンバーカードを利用した申告の利便性向上
・マイナポータル連携の拡大(再掲)
・スマホでマイナンバーカードを読み取ることにより、ICカードリーダライタが不要に【令和4年1月〜】
・公金受取口座の利用【令和4年10月以降〜】
・マイナンバーカードの読取回数の削減
【令和5年1月〜】現行最大4回→2回
(更なる削減については導線整理の一環として検討
【令和4年6月までに結論】)

ニー2:マイナンバーカードの取得促進
・関係団体を通じた関連企業等への周知広報【随時実施】
・確定申告会場内にマイナンバーカード申請コーナーを設置【随時実施】
確定申告
■申請等
•各種申請等については、納税者の利便性を向上させる観点から、合理化や記載項目の削減等を検討。
•件数の多い手続を中心に、書面の様式にとらわれず、数回のクリック(タップ)で申請等が完了するページをe-Tax上で提供。
•納税証明書の請求や申告書等閲覧サービスについても、オンライン利用を推進。
【今後の取組】
イ:申請等の合理化・記載項目の削減等
・個々の申請等について、デジタルの活用により合理化(手続自体の廃止や統合)や記載項目の削減等が図れないか継続的に検討。
【順次実施。必要に応じ、制度当局に対して見直しを申入れ。】

ロ:簡易なオンライン申請等ページの提供
・法定の要件を満たしているか等の必要な項目をチェックするなど、数回のクリック(タップ)で手続が完了するオンライン申請等のページを提供。
【令和5年1月〜(件数の多い手続を中心)】

ハ:様式の見直し
・住所氏名等の共通記載部分は標準化するなど、OCRでスムーズに読み取ることができる様式(利用者にとって分かりやすい様式)に見直し。
【随時実施】

ニ:納税証明書のオンライン請求等の推進
・オンラインで交付された納税証明書(PDF)を自宅等で書面印刷を可能とし、かつ真正性を担保するため二次元コードを表示。
【実施済み(令和3年7月〜)】
・上記納税証明書(PDF)のオンライン手続について、スマートフォン用のサービスを提供。
【令和4年9月〜】

ホ:申告書等閲覧サービスのオンライン化
・パソコン・スマートフォンからマイナンバーカードを使って、所得税申告書等の閲覧申請を可能とする。【令和4年5月〜】

へ:e-Taxマイページの提供
・e-Taxのアカウント画面において、自己の申告履歴に加え、特例(青色申告等)の適用状況を確認できるページ(マイページ)を提供。
【個人事業者の主要な情報について令和5年1月〜。その後、順次対象を拡大】
・上記マイページにおいて、納税の状況(未納税額がない旨等)を確認できる機能を提供。
【中期的検討(基幹システムの刷新が必要)】
申請等
■納付・相談
多様かつ利便性の高い納付手段を提供するなど、令和7年度までにキャッシュレス納付割合4割が達成できるように取組を進める。
•税務手続について不明な点を相談せずとも自己解決できるよう、チャットボットやタックスアンサーの充実を継続的に実施する。
【今後の取組】
イ社会全体でのキャッシュレス化に向けた対応策の検討
・金融機関や関係団体と連携し、@協働して対応策を検討、Aダイレクト納付を中心としたキャッシュレス納付手段の更なる周知・広報に努める。
【随時実施】

ロキャッシュレス納付手段の多様化
・スマートフォンを使用した決済サービスによる納付手段の導入【令和4年12月〜】

ハ税務相談チャットボットの提供等(再掲)
・質問(キーワード)を入力するとAIを利用して自動で回答を表示するチャットボットを提供。【実施済み。対応する質問を順次拡大】
・タックスアンサー(よくある質問に対する回答)の機能改善【令和4年1月〜】
納付・相談
この他、内部事務のセンター化は、各税務署で行っている申告書の入力、申告内容等についての照会文書の発送などの内部事務を業務処理センターで集約して行うものとし、現在、一部の税務署を対象に内部事務のセンター化を実施しています。
令和8事務年度までに全ての税務署を対象とするよう順次拡大していく予定ですが、センターで効率的に行政指導を実施するための方策を検討し、検討結果を踏まえた試行を令和4年度から実施する予定です。

また、照会等のオンライン化は、申告書の審査や税務調査の際に金融機関に対して行っている預貯金情報の照会をオンライン化するもので、すでに昨年10月から実施され、本年1月からは税務調査等で提出を求められた資料のe−Taxでの提出が始まっています。

データ活用等による税務執行の効率化・高度化では、大規模法人を中心に納税者の機器・接続環境下でWeb会議システムを利用して実施中の「リモート調査」を、令和4年度から国税庁が必要な機器等の整備をして拡大していく予定です。中長期的には、AI・機械学習によるビッグデータの活用等によって更なる課税・徴収の効率化・高度化の実現を目指すとしています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 国税庁 ]
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r03/zeimugyosei/index.htm

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