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会社運営に役立つ法令情報

【経営】

「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」を策定

 厚生労働省から、「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」が公表されました。このガイドラインは、次のような背景を踏まえて策定されました。

・企業・労働者を取り巻く環境が急速かつ広範に変化し、労働者の職業人生の長期化も同時に進行する中で、労働者の学び・学び直しの必要性が益々高まっている。
・変化の時代においては、労働者の「自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直し」が重要であり、学び・学び直しにおける「労使の協働」が必要となる。

このガイドラインでは、職場における人材開発(「人への投資」)の抜本的な強化を図るため、基本的な考え方や、労使が取り組むべき事項、公的な支援策等が体系的に示されています。基本的な考え方は次のとおりです。

●急速かつ広範な経済・社会環境の変化は、企業内における上司・先輩の経験や、能力・スキルの範囲を超えたものであり、企業・労働者双方の持続的成長を図るためには、企業主導型の教育訓練の強化を図るとともに、労働者の自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直しを促進することが、一層重要となる。


■意義
「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」は、職場における人材開発(「人への投資」)の抜本的強化を図るため、企業労使が取り組むべき事項等を体系的に示したもの。

企業の人的資本投資人的資本経営への関心が高まっている。「ガイドライン」は、「労使双方の代表」を含む公労使が参画する労働政策審議会(人材開発分科会)における検討・審議を経て、公的に初めて、その「具体的内容や実践論」の全体像を体系的に示すもの。

■内容面のポイント
変化の時代における労働者の「自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直し」の重要性と、学び・学び直しにおける「労使の協働」の必要性を強調。企業労使の実践に資するよう、「T基本的な考え方」に続き、「U労使が取り組むべき事項」、「V公的な支援策」の3部で構成。

「U労使が取り組むべき事項」においては、「学びのプロセス」(@能力・スキル等の明確化、学びの目標の共有→A効果的な教育訓練プログラムや教育訓練機会の確保→B学びを後押しする伴走的な支援策の展開→C持続的なキャリア形成につながる学びの実践・評価)に沿って、「取組の考え方・留意点」と「推奨される取組例」を具体的に提示。

「労使の協働」を実効あるものにするため、@学びの基本認識共有のための「経営者」の役割、A学びの方向性・目標の擦り合わせやサポートを行う「現場のリーダー」の役割、B自律的・主体的な学び・学び直しの後押し・伴走を行う「キャリアコンサルタント」の役割を強調するほか、C「労働者相互」の学び合いの重要性も指摘。

「V公的な支援策」では、厚生労働省のものにとどまらず、広く公的な支援策を掲載。参考になる「企業事例」も紹介

■普及・促進
労使関係者の協力も得つつ、経営層から労働者個々人まで広く周知を図り、「人への投資施策パッケージ」で拡充されている「公的な支援策」の活用も促しつつ、「学び・学び直し」の促進に全力で取り組む。

【T基本的な考え方】
急速かつ広範な経済・社会環境の変化は、企業内における上司・先輩の経験や、能力・スキルの範囲を超えたものであり、企業・労働者双方の持続的成長を図るためには、企業主導型の教育訓練の強化を図るとともに、労働者の自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直しを促進することが、一層重要となる。

労働者の学び・学び直しを促進するためには、労使が「協働」して取り組むことが必要となる。特に、以下の@〜Cが重要である。
@個々の労働者が自律的・主体的に取り組むことができるよう、経営者が学び・学び直しの基本認識を労働者に共有
A管理職等の現場のリーダーによる、個々の労働者との学び・学び直しの方向性・目標の「擦り合わせ」や労働者のキャリア形成のサポート。併せて、企業による現場のリーダーへの支援・配慮
Bキャリアコンサルタントによる学び直しの継続に向けた労働者に対する助言・精神的なサポートや、現場のリーダー支援
C「労働者相互」の学び合い

学び・学び直しにあたっては、雇用形態等にかかわらず、学び・学び直しの基本認識の共有や、職務に必要な能力・スキル等の明確化を踏まえた学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせ、学びの機会の提供、学び・学び直しを促進するための支援、学びの実践・評価という、「学びのプロセス」を踏まえることが望ましい。

学び・学び直しが実践されることで、学びの気運や企業風土が醸成・形成され、キャリアの向上を実現し、より高いレベルの新たな学び・学び直しを呼び込むという「学びが学びを呼ぶ」状態、いわば、「学びの好循環」が実現されることが期待される。

【U労使が取り組むべき事項】
労使が具体的に取り組むべきと考えられる事項について、その考え方・留意点や推奨される取組例を具体化。

1:学び・学び直しに関する基本認識の共有
@経営者による経営戦略・ビジョンと人材開発の方向性の提示、共有
・企業が、事業目的やビジョン、重視する価値観を明らかにし、今後の経営戦略と人材開発の方向性を提示することは、学びの内発的動機付けにつながることから重要。

2:能力・スキル等の明確化、学び・学び直しの方向性・目標の共有
労働者の学びの目標を決定するため、A〜Cの取組が必要となる。

A役割の明確化と合わせた職務に必要な能力・スキル等の明確化
・学び・学び直しの内容や習得レベル、目標等を設定しやすくするため、役割明確化と合わせ、職務に必要な能力・スキル等を明らかにすることが重要。

B学ぶ意欲の向上に向けた節目ごとのキャリアの棚卸し
・労働者が、今後のキャリアの方向性や学ぶべき内容を考えるにあたって、節目ごとにキャリアの棚卸しを行うことが必要。

C学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせ、共有
・学び・学び直しを効果的なものとする観点から、学ぶ内容や目標に関して、現場のリーダーが個々の労働者と擦り合わせを行うことが必要

3:労働者の自律的・主体的な学び・学び直しの機会の確保
D学び・学び直しの教育訓練プログラムや教育訓練機会の確保
・急速かつ広範な経済・社会環境の変化に対応した学び・学び直しができるよう、外部教育訓練機関の活用など、多様な形態で行うことが必要。
・自社で得ることのできない能力・スキルや経験の獲得・実践の場として、副業・兼業や在籍型出向を活用し、本業に活かすことが期待される。

E労働者が相互に学び合う環境の整備
・労働者がお互いに学び、高め合う環境を確保することが重要。

4:労働者の自律的・主体的な学び・学び直しを促進するための支援
F学び・学び直しのための時間の確保
・時間の確保が必要であり、「自己啓発」のうち仕事や業務に資するものについては、時間的配慮を行うことが望ましい。

G学び・学び直しのための費用の支援
・OFFJTとして学び・学び直しを行う場合に要する費用は、基本的に企業の負担となる。「自己啓発」のうち仕事や業務に資するものについては、経済的支援をすることが望ましい。

H学びが継続できるような伴走支援
・定期的・継続的な助言や精神的なサポートを行う仕組みを設けることが望ましい。その際、キャリアコンサルタント等の活用を検討することが望ましい。

5:持続的なキャリア形成につながる学びの実践、評価
I身に付けた能力・スキルを発揮することができる実践の場の提供
・学んだことを業務で実践することで、身に付けた能力・スキルが定着するという効果が期待されることから、企業は、実践の場を提供することが重要。

J身に付けた能力・スキルについての適切な評価
・学び・学び直しやそれにより得られた能力・スキルについて適切に評価を行うことが必要。それにより、新たな目標が生まれ、更なる学び・学び直しにつながることが期待される。

6:現場のリーダーの役割、企業によるリーダーへの支援
K学び・学び直しの場面における、現場のリーダーの役割と取組
・現場の課題を把握し、経営者と労働者との結節点となっている管理職等の現場のリーダーには、個々の労働者との学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせと、労働者の学び・学び直しを含めたキャリア形成のサポートが求められる。

L現場のリーダーのマネジメント能力の向上・企業による支援
・企業は、現場のリーダーがマネジメント能力を向上して求められる役割を果たすことができるよう、また、現場のリーダーが孤立することが無いよう、十分な配慮や支援を行い、過度な業務負担となっている場合には、軽減する等の措置を講ずることが必要。

【V公的な支援策】
「U労使が取り組むべき事項」のそれぞれの項目に対応する形で、省庁横断的に、公的な支援策を紹介。
紹介方法としては、支援内容だけでなく、申請方法、照会先、リンク先等を明示。

厚生労働省では、職場における学び・学び直しを促進するため、ガイドラインの周知を図り、気運の醸成、環境整備の促進に取り組んでいくということです。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_26443.html

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