【経営】
内閣府から、「満足度・生活の質に関する調査報告書2024」が公表されました。「満足度・生活の質に関する調査」は、我が国の経済社会の構造を人々の満足度(Well-being)の観点から多面的に把握し、政策運営に活かしていくことを目的とするものです。2019年2月から開始されたもので、今回で第6回目の調査となります。働き方や就業に関する満足度などの動向のポイントを確認しておきましょう。
■生活満足度の動向
・生活満足度は、5.89と調査開始以来で最高水準となり、1年間での上昇幅も最大となった。
・男女別では、いずれも最高水準となったが、特に男性の上昇幅が大きい(図表1−1)。年齢階層別では、全ての階層で上昇したが、40歳-64歳は2020年の水準に至っていない(図表1−2)。
・地域別では、全ての地域で同程度の上昇(図表1−3)。雇用形態別では、コロナ禍の影響を大きく受けた非正規雇用が引き続き上昇し、正規雇用との水準差は縮小(図表1−4)。
■年齢別にみた生活満足度上昇の寄与度分解・分野別満足度の動向
・男性では39歳以下、女性では40歳-64歳の層が生活満足度上昇に寄与。三大都市圏では40歳-64歳、地方圏では39歳以下の層が上昇に寄与(図表2−1)。
・男性については、39歳以下の層で多くの分野で満足度が大きく上昇。女性については、全ての年齢階層で「家計と資産」が上昇(図表2−2)。
■生活満足度の点数別分布
・生活満足度の点数別の分布をみると7点が最頻値、次いで8点、5点が多い(図表3−1)。前回と比較して、7点以上の割合が上昇。
・39歳以下の層は7点、40歳−64歳の層は5点、65歳以上の層は8点が最頻値となっており、年齢別にみた分布に違いが見られる(図表3−2)。
■生活満足度を判断する上で重視している事項
・重視している事項は年齢階層別に違いはあるものの、「家計と資産」「健康状態」「生活の楽しさ・面白さ」はいずれの年齢層でも重視されている(図表4−1)。
・「健康状態」「生活の楽しさ・面白さ」は重視している人の割合に対して高評価している人の割合も高いが、「家計と資産」は重視している人の割合に対して低評価している人の割合が比較的高くなっている(図表4−4)。重視している事項を高評価している人の生活満足度が他に比べて高くなる傾向(図表4−3)。
・なお、「自然環境」や「身の回りの安全」は重視されていないが、高評価されている(図表4−4)。
■満足度の過去、現在、未来の動向
・5年間の生活満足度の変化では39歳以下の層で上昇・低下双方の割合が他の年齢階層より高く、相対的に変動が大きい(図表5−1)。5年の間に結婚した人のうち5割の満足度が上昇(図表5−2)。
・現在の満足度は5年前回顧満足度より上昇しているが、5年後予想満足度は5年前回顧満足度より低くなり控えめに評価する傾向(図表5−3)。過去5年間で満足度が上昇した人の約6割が、将来の満足度低下を予想(図表5−4)。
■働き方(転職・起業)と満足度
・転職と満足度の関係をみると、転職意向のない人の満足度が最も高い。40歳-64歳の層では転職活動中の人の満足度が大きく落ち込む傾向(図表6−2)。
・起業と満足度の関係をみると、39歳以下の層と40歳-64歳の層では特徴が異なる。前者では起業経験者や準備中の人の満足度が高い傾向があるのに対し、後者では起業経験者の満足度が最も低い(図表6−4)。
■生涯を通じた就業意向と満足度
・60歳未満の現役世代では、60歳以降も働き続けたいと考える人は7割(図表7−1)。
・60歳以上では、男性の70歳-74歳、女性の65歳-69歳の約5割が就業を希望(図表7−2)。
・就業希望者の就業状況をみると、男性は75歳以上でも5割以上が就業しているのに対し、女性は70歳以上で就業している割合は5割を下回る(図表7−3)。就業希望の実現状況が満足度に与える影響は男性において顕著で、無業者の満足度は就業者を大きく下回る(図表7−4)。
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