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【経営】

公益通報者保護制度の詳細

[消費者庁]からの「お知らせ」です。
「公益通報者保護法」は従業員が、お勤め先の不正行為を通報したこと(公益通報)を理由とする、解雇や降格、不自然な異動などの不利益な取扱いから保護されるための条件を定めています。従業員が301人以上のお勤め先には、内部通報窓口の設置義務があります。ここでは、通報を受け付ける事業者が通報を適切に取扱うための基本的な事項等を紹介します。

・事業者に課せられている法的義務
事業者の皆様には、公益通報保護法上、事業者内部の公益通報に適切に対応するために、次の義務が課されています。事業者が、こうした体制を整備することは、事業者内部の自浄作用を高めるとともに、事業者外部への通報による風評リスク等を減少させることにもつながります。また、公益通報対応義務を行う人(通報内容の調査など公益通報に対応する人)は、通報者がだれであるかを特定させる情報(通報者名など)について守秘義務を負います。

・事業者の対応事項
@従事者を指定する義務
公益通報対応業務を行う人(窓口で通報を受け付ける者や、調査等に従事する者、是正措置を実施する者等)であって、業務に関して通報者氏名などを知らされる人を、「従事者」として指定する必要があります。

※従事者には、通報者指名などの情報について漏らしてはならない、という守秘義務が法律上定められており、違反した場合には30万円以下の罰金が科されることになります。

この「公益通報対応業務を行う人」は、公益通報対応業務の全て(窓口での受付対応から調査、是正措置まで)を行う人だけではなく、その一部(窓口での受付のみ)を行う人であっても、該当します。公益通報者が通報を安心して行うためには、公益通報に対応する業務のいずれかの段階においても、公益通報者を特定させる事項が漏れることを防ぐ必要があるためです。

従事者を定める際には、従事者となる者の予期に反して刑事罰が科される事態を防ぐため、従事者の地位に就くことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により定める必要があります。

A公益通報に対応するための体制を整備する義務等
事業者は、事業者内から広く通報を受け付けるなど通報に対応する体制を整備することや、公益通報対応業務の独立性・中立性・公正性を確保するための措置をとる義務を負います。

(例)
・部門横断的に内部公益通報を受け付ける窓口の設置
・内部規程の策定
・窓口において受け付けた内部公益通報の調査・是正措置の実施
・幹部からの独立性を確保した体制作り
・利害関係者の排除

また、公益通報を躊躇(ちゅうちょ)させることのないよう、公益通報者に対する不利益取扱い、公益通報者の探索や公益通報者を特定させる情報についての情報漏洩から保護するための措置をとる義務があります。事業者は、実際に、公益通報者に対する不利益な取扱い、探索や情報漏洩が発生した場合、そのような行為をした従業員や役員などに対し、懲戒処分などの適切な措置をとる必要があります。

(例)
・公益通報者に対する不利益取扱いの禁止
・公益通報者の探索の防止に関する措置
・公益通報者に関する情報の範囲外共有の防止に関する措置
・内部公益通報対応体制を実効的に機能させるための措置等

加えて、内部公益通報対応体制を実効的に機能させるための措置を取る必要があります。
(例)従業員等への教育・周知、是正措置等の公益通報者への通知、記録の保管、制度の定期的な見直しや運用実績の開示、内部規程の策定・運用

B事業者の体制整備等に関する必読資料
・指針(公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_210820_0001.pdf

・指針の解説(指針の内容を遵守するための考え方や具体例等)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_211013_0001.pdf

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 消費者庁 ]
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/detail/private

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