【経営】
[中小企業庁]より「公表」された情報です。
中小企業庁は、「中小M&A市場の改革に向けた検討会」を設置し、中小M&A市場の改革を図るための検討を行ってきたところ、今後、各関係者が実施すべき取組とそれらを促進する施策等について「中小M&A市場改革プラン」として取りまとめ、公表しました。
1.背景・趣旨
近年、中小・小規模事業者(以下「中小企業」という。)において、経営者の高齢化に伴う後継者不在の問題が経営上の課題として強く認識される中、中小企業庁としても、事業承継・M&Aの推進を図ってきました。事業承継ニーズの高まりを受け、中小企業を当事者とするM&A(以下「中小M&A」という。)の件数は大きく増加したものの、とりわけ、地方部や比較的小規模の中小企業において、引き続きM&Aに対する不安感が残っていることなどを踏まえ、中小企業全体におけるM&Aの浸透・実現に向けた不安の解消や理解の醸成を図っていく必要があります。
また、人手不足の深刻化や賃上げ原資を確保する必要性が高まるなど、中小企業を取り巻く事業環境が変化する中で、M&Aを単に事業承継を実現するための選択肢としてではなく、中小企業が成長を実現するための戦略的な手段として推進を図っていく重要性が一層高まっています。
さらに、中小M&Aの市場が急速に拡大したことに伴い、M&A支援機関が増加する中で、その支援の質が十分とは言えないという声が聞かれるようになるとともに、不適切な譲り受け側の存在も指摘されています。これまで、中小企業庁においては、「中小M&Aガイドライン」や「M&A支援機関登録制度」といった取組により、M&A支援機関の質・倫理観の向上やM&Aの実務ルールの浸透を図ってきましたが、更なる取組が求められています。
こうした観点を踏まえ、2025年4月に「中小M&A市場の改革に向けた検討会」を設置し、中小M&A市場の改革を図るための検討を行ってきたところ、今般、各関係者が実施すべき取組をお示しするとともに、それらを促進するための施策について「中小M&A市場改革プラン」として取りまとめました。
2.「中小M&A市場改革プラン」について
「中小M&A市場改革プラン」においては、中小M&Aの普及・促進を図るための中小企業庁のこれまでの取組を振り返るとともに、現時点の事業承継・M&Aに係る状況を紹介しています。その上で、中小M&A市場改革に向けた今後の施策の方向性として、(1)M&Aの譲り渡し側に係る施策、(2)中小M&A市場に係る施策、(3)M&Aの譲り受け側に係る施策をそれぞれ取りまとめています。中小企業庁においては、本プランに記載の施策を念頭に、引き続き中小M&Aの普及・促進を図ります。
中小M&A市場改革プラン(概要)
1.中小M&Aの意義
@経営資源の散逸の回避
● 後継者不在等の理由による廃業を防ぎ、希少な経営資源が散逸する事態を回避する。
A成長・生産性向上等の実現
● 経営者年齢の若返りやシナジー効果の発揮等によって成長・生産性向上等を実現する。
2.これまでの主な取組
● 事業承継・M&Aニーズの掘り起し、マッチングからM&Aの円滑な成立に向けた支援、M&A成立後の成長に向けた支援、といったM&Aのフェーズごとに総合的な支援を講じてきた。さらに、質の低いM&A仲介事業者や不適切な買手の問題等に対応し、中小M&A市場の環境整備も図ってきた。
3.事業承継・M&Aに係る状況
● 民間のM&A支援機関や事業承継・引継ぎ支援センターを通じたM&Aの件数は大幅に増加。中小M&Aは浸透をみせている。一方で、経営者が60代以上かつ事業承継の意向が未定の法人企業が約26万者存在することを踏まえると、いまだ拡大を図っていく必要があると考えられる。
● また、人手不足の深刻化等の事業環境の変化が生じる中、M&Aを単に事業承継を実現するため選択肢としてではなく、中小企業が成長を実現するための戦略的な手段として推進を図っていく重要性が一層高まっている。
● さらに、M&A支援機関が増加する中で、その支援の質が十分とは言えないという声も聞かれるようになった。加えて、譲り渡し側の経営者保証が解除されないまま、譲り渡し側の現預金を引き抜くといった不適切な譲り受け側の存在も指摘されてており、市場の健全化に向けた更なる取組が求められている。
4.中小M&A市場改革に向けた今後の施策の方向性
● 中小M&Aのプレイヤーごとに、譲り渡し側、中小M&A市場、譲り受け側、といった3つの軸で施策を講じていく。
詳しくは下記参照先をご覧ください。