労務
「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」が公表されました
[厚生労働省]より「公表」された情報です
改正労働安全衛生法※による、労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施の義務化(施行期日は公布後3年以内に政令で定める日)を踏まえ、「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」において、労働者数50人未満の小規模事業場に即した、労働者のプライバシーが保護され、現実的で実効性のある実施体制・実施方法等についてのマニュアルが作成、公表されました。内容の一部をご紹介いたします。
※ 労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)
0 ストレスチェック制度とは
0−1 ストレスチェック制度の趣旨・目的
- 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の主な目的は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止です。
事業者は、労働者のストレスを把握するための検査(以下 「ストレスチェック」といいます。)を実施することで、労働者自身のストレスへの気付きを促し、セルフケアを進めるとともに、- 高ストレスと判定された労働者に、医師の面接指導の機会の提供、
- 医師の意見を踏まえた就業上の措置の実施、
- 集団分析を通じて職場ごとのストレス要因を把握し、職場環境の改善につなげます。
- このように、ストレスチェック制度(※)は、集団分析・職場環境改善まで含めた一体的な制度です。
※ 本マニュアルで「ストレスチェック制度」とは、ストレスチェックそのもののほか、医師の面接指導、面接指導後の就業上の措置、さらには、集団分析・職場環境改善を含む、労働安全衛生法第66条の10に係る事業場における一連の取組全体を指します。
- ストレスチェックは、労働者が安心してありのままを回答できることで、制度本来の予防効果につながるため、プライバシーが保護される環境づくりが重要です。
※ ストレスチェック制度は、精神疾患の発見でなく、メンタルヘルス不調の未然防止を主たる目的とするものです。
0−2 ストレスチェック制度の効果
- 厚生労働省が行った効果検証事業の結果において、ストレスチェックを受けた労働者の約7割から「自身のストレスが分かったこと」が有効であったとする回答が得られたほか、医師の面接指導を受けた労働者の過半数から「対面で医師から面接を受けたこと」が有効であったとする回答が得られています。
- また、学術論文や研究報告書等において、ストレスチェックと職場環境改善によって、心理的ストレスの低下や生産性向上の効果が認められています。
0−3 ストレスチェック制度を実施する意義
- 労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が重要です。ひとたびメンタルヘルス不調にさせてしまうと、その病休期間は平均で約3か月、復職後再び病休になる割合も約半数と、特に小規模事業場にとっては、大きな人材の損失となるほか、経営上のリスクにつながってしまいます。
- また、ストレスチェック制度をはじめとした職場のメンタルヘルス対策に取り組むことで、働きやすい職場の実現を通じて、生産性の向上や人材の確保・定着、企業価値の向上といった、持続的な経営につながります。特に人材不足が課題となっている小規模事業場において、メリットも大きいと考えられます。
- こうした視点も踏まえて、事業者は、メンタルヘルス対策を経営課題として位置付け、ストレスチェック制度にしっかり取り組んでいくことが重要です。
0−4 実施義務
- ストレスチェックの対象者となる「常時使用する労働者」とは、次のいずれの要件をも満たす者をいいます。(一般定期健康診断の対象者と同様です。契約の名称や国籍に関わりません。)
@ 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
A その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上であること。
※ なお、1週間の労働時間数が通常の労働者の4分の3未満である労働者であっても、上記の@の要件を満たし、労働時間数が通常の労働者のおおむね2分の1以上である者に対しても、ストレスチェックを実施することが望まれます。
- 派遣労働者に対するストレスチェックは、派遣元に実施義務があります。(一般定期健康診断と同様です。)
- 一般定期健康診断と異なり、ストレスチェックでは、労働者に受検義務が課されていませんが、本制度を効果的なものとするためにも、できるだけ対象者全員が受検することが望まれます。
- 医師の面接指導は、対象者から申出があった場合は実施する義務があります。また、集団分析・職場環境改善は、事業場規模に関わらず、努力義務とされています。
- ストレスチェックの実施結果の労働基準監督署への報告は、労働者数50人以上の事業場に義務付けられていますが、労働者数50人未満の事業場は不要です。
※ 「事業場」は原則として、工場、事務所、店舗など同一場所にあるものを一の事業場と考え、同一企業であっても、場所的に分散している場合は別個の事業場となります。
【参考】労働基準監督署への報告の要否の基準
労働基準監督署への報告の要否の基準となる「常時使用している労働者が50人以上」の「常時使用している労働者」とは、ストレスチェックの対象者のように契約期間や週の労働時間によるのではなく、常態として使用されているかどうかで判断します。そのため、労働時間数が短いアルバイトやパートタイム労働者、派遣先の派遣労働者であっても、継続して雇用し常態として使用していれば、カウントに含める必要があります。
「ストレスチェックの対象者」が50人未満であっても、「常時使用している労働者」が50人以上となり、労働基準監督署への報告が必要となる場合がありますので、注意しましょう。
詳しくは下記参照先をご覧ください