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【経営】

骨太の方針2024などにおける「労働条件分科会に関係する部分」などを報告

 厚生労働省から、令和6年7月17日に開催された「第192回 労働政策審議会労働条件分科会」の資料が公表されました。今回の主な議題は、『「経済財政運営と改革の基本方針2024」等について』と『「事業性融資の推進等に関する法律」の成立について』であり、それらの関連資料が公表されています。

『「経済財政運営と改革の基本方針2024」等について』の資料では、「経済財政運営と改革の基本方針2024」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版」及び『規制改革実施計画』における「労働条件分科会に関係する部分」が抜粋して紹介されています。

「経済財政運営と改革の基本方針2024」では、日本の労働政策に関するさまざまな側面が議論されています。主な内容は以下の通りです。

1.賃金引き上げと労働市場改革
-賃金の引き上げ
-労働市場の改革
-テレワークの推進
-外国人材の受け入れ
-多様な労働力が安心して働ける環境の整備

2.新しい資本主義のグランドデザインと実施計画
-成長を伴う新しい経済段階への移行
-持続可能な経済成長のための社会問題への対応
-高生産性産業への労働移動を促進しつつ、質の高い雇用の確保

3.副業・兼業の推進
-副業や兼業の推進
-「自爆営業」の根絶
-労働関連通知の電子申請利用率の向上

4.委員会や審議会のメンバーリスト
-経済財政政策や労働条件に関するさまざまな委員会や審議会のメンバーリスト

このように、2024年の基本方針は、労働市場の改革や新しい経済成長のための具体的な施策を含んでいます。

たとえば、「個々の企業の実態に応じたジョブ型人事(職務給)の導入の促進」、「都道府県労働局・労働基準監督署による同一労働同一賃金の更なる徹底」、「勤務間インターバル制度の導入促進」、「副業・兼業における割増賃金の支払に係る労働時間の通算管理の在り方の解釈の変更」などが、労働条件分科会に関係する部分とされており、今後、これらの具体的な検討が進められるものと思われます。

以下は、労働条件分科会に関係する主要なポイントの詳細です

1.ジョブ型人事(職務給)の導入の促進
個々の企業の実態に応じたジョブ型人事(職務給)の導入を推進するため、既に導入している多様な企業の事例を掲載した「ジョブ型人事指針」を公表し、各企業が自社の実情に応じた導入方法を検討できるようにする。

2.同一労働同一賃金の徹底
都道府県労働局および労働基準監督署による同一労働同一賃金の更なる徹底を図る。これにより、労働者が同じ仕事をしている場合に公平な賃金が支払われるようにする。

3.勤務間インターバル制度の導入促進
労働者の健康管理を目的として、勤務間インターバル制度の導入を促進する。この制度は、労働者が一定の休息時間を確保できるようにするもので、過労を防ぐ効果が期待される。

4.副業・兼業における割増賃金の支払に係る労働時間の通算管理の解釈の変更
副業や兼業を行う労働者の健康管理のため、送り出し企業および受け入れ企業の双方における労働時間の通算管理が必要とされる一方で、割増賃金の支払に係る労働時間の通算管理については、制度が複雑で企業側に重い負担となるため、行政解釈の変更を含めて検討し、結論を得る。

これらの施策は、労働市場の改革と労働者の働きやすさを向上させることを目的としています。

『「事業性融資の推進等に関する法律」の成立について』の資料では、その法律の概要が紹介されています。なお、その法律の施行期日は、「公布の日(令和6年6月14日)から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日」とされています。

主な内容は以下の通りです。

1.事業性融資の推進等に関する法律の成立
2021年4月1日に「事業性融資の推進等に関する法律」が成立し、企業の総財産を担保にした融資制度が導入されました。この法律は、企業の成長や経営改善を支援することを目的としています。

2.消費者物価指数の推移
2024年6月の消費者物価指数の「総合」は108.2、「生鮮食品を除く総合」は107.8、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は106.6、「持家の帰属家賃を除く総合」は109.6となっています。物価の上昇は2023年以降減少傾向にありますが、依然としてプラスで推移しています。

3.医師の働き方改革
医師の働き方改革に関する照会と回答内容が記載されています。これには、医師の労働時間の管理や健康管理に関する具体的な施策が含まれています。

4.健康寿命延伸プラン
2019年に策定された「健康寿命延伸プラン」についても触れられています。このプランは、2040年までに健康寿命を男女ともに2016年に比べて3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指しています。

5.診療報酬改定に関する疑義解釈資料
診療報酬改定に関する疑義解釈資料も含まれており、具体的な改定内容やその解釈について説明されています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41466.html

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